【超難問 PART.3】ピアノやってる人なら、これだけでも何の曲かわかる?!

ピアノやってる人なら、これだけでも何の曲かわかる?! PART.3 の答えと解説

第1問(超難問11)

答:サン=サーンス作曲 6つの練習曲op.52 第5番

「動物の謝肉祭」で有名なサン=サーンスの作品です。作曲家の中では86歳とかなり長生きでした。意外とテクニカルな曲を作曲していて、機械的に演奏する作品も多くあります。ある意味超絶技巧の部類の曲にあたります。

サン=サーンス独特の技巧を得るための練習曲として、「6つの練習曲 作品52」「6つの練習曲 作品111」「6つの左手のための練習曲集 作品135」という3つの曲集で18曲を作曲しています。6つの練習曲op.52 第5番は「前奏曲とフーガ」と言う副題がついています。ピアニストのルービンシュタインに献呈されました。前奏曲は六度のトレモロの練習曲になっています。

彼が作曲した練習曲の中では「6つの練習曲 作品52」の第6番「ワルツの形式で」が有名で、コンクールの課題や演奏会で弾かれることもあります。

第2問(超難問12)

答:ベートーヴェン作曲 ピアノソナタ第26番「告別」

ベートーヴェンはあまり曲名に副題をつけませんが、珍しく副題がある作品です。第一楽章の冒頭に「Lebe wohl」というドイツ語が書かれています。直訳すると「さようなら」。ですから、このピアノソナタが「告別ソナタ」と呼ばれています。

第二楽章には「Abwesenheit(不在)」、第三楽章には「Wiedersehen(再会)」とそれぞれ書かれています。物語を感じるような副題をつけることがあまりなかったベートーヴェンの作品の中では、三楽章を通して一貫した物語性のある作品となっています。

第3問(超難問13)

答:コーネリアス・カーデュー(Cornelius Cardew)作曲 Memories of you

イギリスの作曲家コーネリアス・カーデューのピアノを使った曲です。楽譜に一つも音符が書いてありません。◯の中にグランドピアノを上から見たような形が書かれていて、小さな丸も付け加えられています。グランドピアノの周りにある小さな丸の場所で音を鳴らしたりする指示が書かれています。

◯の配置のようにピアノ自体をどんどん移動させていきます。「ピアノを使った曲」と書いたのは、ピアノの音は1音も鳴らさないためです。

第4問(超難問14)

答:クセナキス作曲 ヘルマ

ギリシャの作曲家でも特に有名なのが「クセナキス」です。「ヘルマ」では、楽譜を横軸が時間、縦軸が音の高さというように単純な設計図として書いた楽譜です。

横軸の時間が分かり易いように、16分音符や8分音符の長さのところで棒が書き加えられています。イメージするなら、オルゴールが一番近いかもしれません。音を鳴らす棒が回ってきたところで鉄の板を弾くことで音が鳴ります。彼の作品は「雲の音楽」と呼ばれることもあります。水蒸気が密集してあると「雲」として見えてきますが、水蒸気自体は見えません。音の密度を感じる作品だとも言えます。

第5問(超難問15)

答:バッハ作曲 平均律クラヴィーア曲集第2巻第9番ホ長調 フーガ

音の長さを表す記号で一番長い記号はご存知ですか?

「全部のばす」から「全音符」と思われていますが、もっと長くのばす記号があります。それが、今回バッハの作品で出てきた四角い音符です。左右の縦線が少し突き抜けた感じに書かれていますが、この棒が、1つから2つ、3つと増えることによって、全音符の長さの2倍、4倍、8倍と長くなっていきます。ですから、今回出てきた記号は、4分音符8つ分のばす記号になります。

読み方は「倍全音符(ばいぜんおんぷ)」または「二全音符(にぜんおんぷ)」と言います。英語だと「ブレーべ(breve)」や「double note」「double whole note」と言います。

シューマン作曲「謝肉祭」や、前述のヴァイン作曲「ピアノソナタ第1番」などで見られる音符です。

楽譜の風景を眺めるというのも、楽しみ方の一つだと思います。

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