「11」にまつわるエトセトラ この曲な〜んだ?! – 答え合わせ&曲目解説

「11」といえば、どんな曲が思い浮かびますか?

「11」にまつわるエトセトラの答え合わせと、解説です。

「11」の数字にまつわる曲を、7曲集めてみました。作曲家の名前や、何というタイトルの作品か、わかりますか?

【ヒント】

  • ロマン派の作品
  • バロック時代
  • クラシック作品
  • クラシック作品、❸と同じ作曲家
  • バロック時代
  • バロック時代、❺と同じ作曲家
  • ロマン派の作品、編曲作品

「11」
にまつわる
エトセトラ

答えと解説
 

❶ ショパン作曲:エチュードop.10-11

12曲あるショパンの練習曲(エチュード)op.10の「11」番目の作品です。

両手の幅広いアルペジオの練習曲。ハープのような流れる音色にできるととても素敵な作品です。楽譜を見てると、ニョロニョロと波線がいっぱいあるので、ちょっと目が痛くなります。

メロディラインは基本、一番高いソプラノを聴かせておけば大丈夫。その中で、内声に面白い伏線を見つけることができると、さらに素敵な音楽になります。ショパンによって、いろんなところにそういう素敵なメロディが散りばめられているので、演奏するときや、聴くときに探しながら味わってみてください。

❷ スカルラッティ作曲:ソナタ ハ短調 K.11 L.352

バロック時代の作曲家スカルラッティの「ソナタ K.11」です。

ベートーヴェンなど古典派のの作曲家のソナタというと、3つの楽章から成り立つものが多いですが、スカルラッティの「ソナタ」は1つの楽章のみで構成されます。しかも、曲数は大量にあり、555曲のソナタを作りました。そのため、整理番号が必要となりますが、作品の整理番号は2種類あります。

「K」はカークパトリックが編纂したもので、ほぼ年代順になっています。

「L」はロンゴが編纂したもので、K.番号とは異なる順番(例えば年代順ではない)で番号が振られています。

様々なリズムで執拗に繰返される音階下行の4度の音程が全体を通して聞こえてくるので、統一感があります。両手が交差し、全体的に使用音域が高音へ集中している感じがします。

❸ モーツァルト作曲:ソナタ第11番 KV331 第1楽章

❹ モーツァルト作曲:ソナタ第11番 KV331 第3楽章「トルコ行進曲」

モーツァルトの「ピアノソナタ第11番 KV.331」より第1楽章と、第3楽章。第3楽章は有名な「トルコ行進曲」です。

第1楽章は、変奏曲になっていて、ホッとする雰囲気のテーマが最初に流れます。その後7つの変奏が続きます。

第3楽章は、通称「トルコ行進曲」と言われていますが、冒頭に「Alla turca(トルコ風)」とだけ書かれています。異国情緒あふれるトルコの音楽をヨーロッパのクラシック音楽に取り入れた、魅力的で歴史的な音楽様式と言えます。 

❺ クープラン作曲:クラヴサン曲集第11組曲 第5番「昔の偉大なメネストランディーズの記録」 i. 貴族とメネストランディーズ会員

❻ クープラン作曲:クラヴサン曲集第11組曲 第5番「昔の偉大なメネストランディーズの記録」 v.酔っぱらいと猿と熊たちによってひき起こされた一座の無秩序と混乱

フランスのバロック時代の作曲家、クープランの「クラヴサン曲集」の「11」番目の組曲に含まれる作品です。

それぞれの組曲は、5つのほどの小曲で成り立っています。今回の作品は少しややこしくて、「第11組曲 」には5つの曲が含まれているのですが、その第5番はさらに5つの組曲になっています。

それぞれのタイトルがとても長く、意味ありげです。実は、皮肉をこめた作品となっています。

「メネストランディーズ」と書きましたが、原題は「Mxnx-strxndxsx」と母音がすべてxで伏字になっていて、直接分からないように工夫してあります。

事の顛末は、上納金騒動です。

メネストリエ(吟遊詩人)の同業組合と王室礼拝堂のオルガニスト、クラヴシニストたちの間で17世紀末に起こった訴訟に関連した曲であり、最終的にオルガニスト、クラヴシニスト側が勝訴し、彼らは同組合への加盟を免除され、上納金も払わなくてよくなった。かくして重要な資金源を絶たれた結果、中世からの伝統を持つ吟遊詩人の組合は没落して行く。クープランは吟遊詩人組合の活動と会員たちの様子を巧みに描写した全5場から成るクラヴサンの寸劇を書いきました。

1番から5番まではちゃめちゃなタイトルが並んでますので、書き連ねておきます。

  1. 貴族とメネストランディーズ会員(Les norables et jures-Mxnxstrxndxurs)
  2. ヴィエール弾きと乞食(Les vieleux et les gueux)
  3. 熊と猿を連れたジョングルールと軽業師と大道芸人(Les jongleurs, sauteurs et saltimbanques, avec les ours et les singes)
  4. 傷痍軍人,または偉大なメネストランディーズに仕える身体障害者(Les invalides, ou gens estropies au service de la grande Mxnxstrxndxsx)
  5. 酔っぱらいと猿と熊たちによってひき起こされた一座の無秩序と混乱(Desordre et deroute de toute la troupe, causes par les ivrognes, les singes et les ours)

❼ リスト作曲:パガニーニ大練習曲 第6番「主題と変奏」

リスト作曲の、6曲から成る練習曲集「パガニーニ大練習曲」の第6番目の作品です。

リストと同じ時代のヴァイオリニストの巨匠、パガニーニの「24のカプリース」から6曲を抜粋して、ピアノ版へ編曲した作品です。第3番は有名な「ラ・カンパネラ」です。

第6番は「24のカプリース」の中でも最も有名な第24番を原曲とする作品で、11の変奏曲から成っています。ヴァイオリンの原曲を聞いてから、ピアノ版を聴いてみると、「この場面をこういうふうにアレンジしたんだ」と、ちょっと発見があります。原曲そのままのところもありますが、変化をつけてリスト風に仕上げているところなど、面白いです。

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