「ステキな日曜日vol.2」の答え合わせ「蝶or蛾」と解説
ステキな日曜日を過ごしていただけましたでしょうか?!
「いきもの」をテーマにして、昆虫や植物がタイトルになっているピアノ曲を演奏しました。
その中で、演奏会の第1部でお出しした、「蝶」の曲の中に何曲「蛾」が隠れているでしょう?のクイズですが、みなさん当たりましたか?
答えは、「蛾」の曲は「1曲」だけでした。もう一度確認しながら聞いてみたいという方のために、解説と演奏動画をこちらのページに掲載しておきます。今度はタイトルを知った上で聞いてみてくださいね。
今回の演奏会では6曲の作品をピックアップしましたが、他にも「蝶」や「蛾」のピアノ曲はあります。参考までにそちらの情報も載せておこうと思います。
ところで、昆虫の「蝶」と「蛾」の違いって何かご存知ですか?
実は・・・
明確な区別は無いんだそうです。「チョウ目」の中で「チョウ」以外の昆虫はすべて「ガ」に分類されています。もう少し詳しく見てみると、次の点などが「チョウ」と「ガ」を区別する目安になっています。
(1)チョウは昼に活動し、ガは夜に活動する。
(2)とまるとき、チョウは羽を合わせて立てるが、ガは羽を開いている。
(3)チョウの触角は先端がマッチ棒(こん棒)の先端のように膨らんでいるが、ガの触角はマッチ棒(こん棒)状ではない。
(4)チョウの胴体(腹部と胸部)は細いが、ガの胴体は太い。
例外も多く存在するので、一概にこうだから「チョウ」という風に決められないみたいです。
① ゲール/蝶々 ピアノ演奏:ウーーノ
アンリ・ヴァン・ゲール(Henri Van Gael, 1860-1918)は、ベルギーの作曲家です。サロン向けのピアノ小品を多数残しています今日では、「蝶々」という初級者向けのピアノ小品のみが演奏されるくらいです。
Op.94は「蝶々 Les Papillons」という題で今日でも発表会等でよく演奏されている小品です。しかし、実は、「蝶々」というのは、Op.94~96の3曲を収めた曲集のタイトルで、Op.94に個別に付けられたタイトルは、「タラントの祝祭 Une fête à Tarente」というものです。この曲では、ひらひらと飛びかう蝶々の様子を描いていると聞くこともできますが、「タラントの祝祭」というタイトルから察すると、タラントという町の名に由来する舞曲、「タランテラ」を踊っている様子を描いた作品とも言えるかもしれません。
② ラヴェル/「鏡」より第1番「蛾」 piano:Yuki Yoshimi
フランスの作曲家モーリス・ラヴェルが作曲した『鏡』の第1番がこの「蛾」です。今回演奏した中で、唯一「蛾」をテーマにした作品でした。優雅に飛び回る蝶の雰囲気とは違って、羽をバタバタ動かして蠢く「蛾」のイメージがわかりやすかった作品ではないでしょうか。
急に動き始めたり、どこかにとまって羽を休ませたりと、気ままに動く「蛾」がイメージできます。
マスネ/黒い蝶 ピアノ演奏:ウーーノ
フランスの作曲家マスネの作品です。マスネといえば、ヴァイオリン作品「タイス瞑想曲」が有名ですが、彼のピアノ曲はあまり弾かれることがなく、珍しい作品です。ピアニストのアムランがマスネ作曲のピアノ曲「狂ったワルツ」をアンコールで弾いていたこともありました。
「黒い蝶」と「白い蝶」を2曲合わせて「2つの小品」として楽譜が出版されています。黒い蝶の方は、動きが速いので、もしかしたら「蛾」のイメージに近いのかもしれません。
ショパン/練習曲op.25-9「蝶々」piano:Szymon Nehring
ショパン作曲のエチュードop.25-9は、通称「蝶々」と言われています。ショパン自身がつけたタイトルではありません。飛んでいる雰囲気を感じるからか、弾いている手の形が蝶々が飛んでいる様子に見えるからか、このニックネームが付けられました。
優雅に聞こえますが、速く弾こうとすると、恐ろしく難しくなります。
童謡「ちょうちょ」(ウーーノ編曲)
この演奏会のために、ウーーノがアレンジしました。ピアノ楽譜購入できます。
ちょっと外れたような、とぼけた感じを出してみました。
日本では童謡「ちょうちょ」として知られていますが、もとはドイツ民謡で「幼いハンス(Hänschen klein)」という曲でした。
マスネ/白い蝶 ピアノ演奏:ウーーノ
「黒い蝶」と同じくマスネの作品。今回演奏した6曲の中では、一番優雅な雰囲気を感じられる作品です。
演奏会で演奏した以外にも「蝶」や「蛾」のピアノ曲はあります。こちらでご紹介します。