島根県西ノ島町|隠岐へ行こう3〜「西ノ島」の絶景「国賀海岸」
2019年夏のよりみち旅は「そうだ、隠岐へ行こう!」ということで、島根県の隠岐の4つの島を巡りました。初めに隠岐「西ノ島」をよりみちしてまわりました。
「西ノ島」の観光スポットというと、「国賀海岸」ははずせません。「摩天崖」や「通天橋」など自然の絶景スポットがあります。また、国賀浜から摩天崖にかけての草原地帯付近にはたくさんの牛馬が放牧されていて、ところどころで彼らに出会うことができます。
日時:2019年8月
エリア:島根県(隠岐郡西ノ島町)
隠岐島4島(西ノ島、知夫里島、中ノ島、隠岐の島)をめぐりました。
よりみちスポット
「西ノ島別府港」からバスで「国賀」へ
お昼頃に隠岐の中でも島前にある「西ノ島」別府港に到着しました。別府フェリーターミナルの建物と比べても、「フェリーくにが」が結構大きかったのが分かります。
別府フェリーターミナルの前に路線バスの停留所「隠岐汽船バス停」があります。道路を挟んで2つの建物が通路でつながっています。右の建物のあたりから、島前の他の島へ渡ることができる「内航船」の「いそかぜ」の発着する乗り場があります。
島前を行く内航船は2つあって、人や荷物を運ぶ小型船の「いそかぜ」と、車を載せることができる大型船「フェリーどうぜん」があります。
「フェリーどうぜん」が発着する乗り場はまた別にあって、別府港から北の方へ3分ほど歩いたところにあります。西ノ島での船の乗り場は3カ所あるので注意してください。
西ノ島をよりみちして回る方法は、公共交通機関だと、「隠岐・西ノ島町営バス」があります。その他、レンタサイクルやレンタカーもあります。西ノ島はかなり坂が多い道を行くことになるので、レンタサイクルは、電動アシスト自転車をおすすめします。別府港にある西ノ島観光協会で借りられます。
その他、2日前までの予約で定期観光バスもあります。
西ノ島にも水木しげるさんの書く妖怪「焼火権現」がいました。境港の水木しげるロードから「妖怪トンネル」を通って海をくぐり抜け、隠岐に飛び出てきたんだそうです。
「隠岐・西ノ島町営バス」に乗って絶景が見られる「国賀海岸」を目指します。町営バスは1回の乗車で一律200円です。バス停は30カ所ほど設置されていますが、途中での乗り降りも可能です。先に運転手にいきたい場所を告げて相談しておくと、一番近いところでおろしてくれます。道の途中で乗りたいときは、ヒッチハイク形式で運転手の方に知らせます。
「国賀海岸」は、西ノ島の西の方にあります。東のほうにある別府港「隠岐汽船バス停」からは、35分ほどかかります。「国賀海岸」の入り口にある「国賀バス停」へ向かいます。夏季は1日4本ほどバスが出ています。
「国賀バス停」に到着。フェリーターミナルからバスに乗ったのは結構多かったのですが、西ノ島の真ん中あたりにある「外浜海水浴場」でほとんどの方が下車しました。隠岐島の海岸は岩場が多く、砂浜のところは少ないです。「外浜海水浴場」は隠岐で数少ない砂浜のビーチです。
バスで終点の「国賀」まで乗ったのはウーーノだけでした。おかげで、運転手さんから色々と話せて、情報をいただけました。
西ノ島は観光スポットが各地に点在しているので、効率よくまわりたい方は、レンタカーを借りるようです。
「国賀浜」でお昼を食べる
「西ノ島ウォーキングコース」の看板がありました。「国賀バス停」からは国賀浜や摩天崖へと続くウォーキングコースが整備されています。「摩天崖」の下側にあたる「国賀バス停」付近と、「摩天崖」の上に駐車場があり、そこまでは車で行くことができます。国賀浜や摩天崖の間は草原地帯になっていて、歩いてしか通れません。自転車も坂がキツくて通れませんので、どちらかの駐車場に置いて歩いていく感じになります。
「摩天崖」の高さは海抜257メートル。新宿の東京都庁や、池袋のサンシャイン60よりも高いです。それを歩いてのぼると想像すると、大変さは先にイメージできますね。
バス停の奥に進んでみると、もう自然の絶景が広がっています。北海道の礼文島とも似た風景です。高い木が少なく、ゴツゴツした岩場が多い、自然の力強さを感じる風景です。
バス停からしたの「国賀浜」へ下りる歩道があります。下りたところに屋根のある休憩スペースとトイレの設備だけがあります。この先「摩天崖」の上までトイレの設備はありません。ちなみに、飲み物の自販機も、この先は全くありません。もし買い忘れた場合は、先ほどのバス停のところにあるトイレ脇の自販機で購入しておきましょう。
屋根で日陰になったところにテーブルがあるので、涼んでお昼を食べるのもいいですね。
この辺りが「国賀浜」になります。砂浜ではなく、ゴツゴツした岩場の海岸です。
そんな岩場の広がる風景の中に、鳥居が見えます。奥に小さな祠がある「国賀神社」です。荒ぶる海の守り神という雰囲気です。岩場に囲まれていて、本当に静かです。
「国賀神社」の鳥居あたりからさらに海の方面へ道が続いています。
その先は波止場になっていました。
海の音と、風の音だけがある時間。とても贅沢で、すてきな時間をいただきました。
ついでに、お昼ご飯もいただきました。なんてことないコンビニのおにぎりが、風景のスパイスが効いて数段美味しく感じます。
このまま、ここで時間を過ごそうかな・・・
「通天橋」の絶景
・・・という気持ちを振り切って、上の「摩天崖」を目指していきます。
国賀浜から左奥を通じている道を行きます。
道を登り始めると、すぐ見えてくるのが、「国賀海岸」を代表する景勝地「通天橋」です。崖のもろい部分が削られてアーチのような形として残っています。その名のごとく天上界への架け橋のように見える奇岩です。
ユネスコの世界ジオパークに認定されている隠岐ならではの景観で、岩場の色や地層も圧巻です。
下の駐車場からもすぐ行けるので、ここだけ見て帰られる方もいます。この上にある「摩天崖」は、結構上まで坂を登らないと見えてきません。この「通天橋」の向こう側に行ってようやく見えてくるくらいの感じです。体力に合わせて、よりみちしてくださいね。
「通天橋」と「摩天崖」を両方一度に見たいという方は、海を隔てた向こう岸あたりにある「赤尾展望所」にいくといいです。NHK連続テレビ小説「だんだん」のロケも行われたそうです。
【隠岐の島 摩天崖・通天橋】「さんぽ」をトイピアノで弾いてきた
【隠岐の島 摩天崖・通天橋】「さんぽ」をトイピアノで弾いてきた
隠岐に吹く風を感じながら、「となりのトトロ」の「さんぽ」をトイピアノで演奏しました。
「通天橋」から「摩天崖」へ絶景を歩く
「摩天崖歩道入口」と書かれた道を行きます。ここからは、舗装された道ではなく、みんなが通ることで道のように見える道を行きます。土の道なので、雨が降った後はぬかるんだり滑ったりしそうです。
坂が急なところには、所々階段上にしてくれています。ただ、手すりとかはありません。
この小さなステップを超えたところからが、放牧地になります。馬や牛たちが放飼されています。
まだまだ「摩天崖」までの道のりは遠く険しいです。この写真を見ていただけると、どのくらいの坂かお分かりいただけるでしょうか。トイピアノを地面に置いて写真を撮っていますが、まっすぐ横に置いてしまうと倒れてしまうので、かなり斜め縦向きに置いて、倒れてこないようにして撮りました。
これが「摩天崖」か・・・と思ったら、まだまだ「通天橋」の上の部分でした。通天橋を下から撮影したところから15分ほど登りましたが、この段階でもまだ「摩天崖」は見えません。
ずんずん登っていきます。「国賀バス停」のある駐車場があんなに小さく見えます。25分ほど登りましたがまだ「摩天崖」は見えません。
「展望所」と書かれた比較的平なところに出ました。この辺りが「通天橋」の上あたりになります。
ここで、ようやく「摩天崖」の全貌が見えました。日本ではないような絶景です。「摩天」というのは「天に届くほどの」という意味です。257メートルの高さがある崖は、まるでナイフで削り取ったようです。
通天橋からここまで距離だと600メートルほどなんですが、写真を撮りながら、休憩しながら30分かかりました。結構しんどかったです。
ここから「摩天崖」まではさらに700メートル登ります。車で来て下の駐車場に停めておいて、ここで引き返すというのだと、ちょうどいいかもしれません。
「展望所」から「摩天崖」と反対の方向を見ても絶景です。向こう側に見える半島に「赤尾展望所」があります。
このあたりから放し飼いされている馬たちの姿が見れました。必然と、周りには、馬や牛たちの落とし物も増えてますので、歩くときは気をつけてくださいね。
「展望所」から先は放牧地の草原の中の、道なき道をいきます。所々に「摩天崖」への小さな案内板が地中に埋め込まれていました。
「摩天崖」の上まで来ると、「大山隠岐国立公園 摩天崖」と書かれた看板が立っていました。やっと着いた!という感じです。通天橋から登り始めて、1時間10分ほどかかりました。
いやー絶景です。さっき出会った馬たちが、あんなに小さく見えます。
「摩天崖」のところにはベンチもあるので、座って風景を楽しむこともできます。
ここへ来て初めて牛に遭遇しました。
放牧地との区切りにある柵を超えて、「摩天崖」の駐車場のところまで到着しました。ここにはトイレの設備もあります。ここから後は降りるだけです。ちなみに、バス路線はここは走っていませんので歩いております。
「摩天崖」からバス路線のある「由良」まで歩く
「摩天崖」の駐車場から路線バスが通っている海沿いの「由良」まで歩いていきます。3キロちょっとの道のりで、ずっと下りが続くので、歩くのは楽です。
駐車場のところからすぐ、前にも見たことのある風景がありました。この溝は「テキサスゲート」といって、馬や牛がこれ以上向こうに行かないように、足がハマるくらいの大きさの溝をつけてあります。
与那国島などで前に見かけました。
【参考記事:】
舗装された道を行きます。右を見ると手前の海あたりが、これから向かう「由良」が見えます。左を見ると、木々が生い茂った半島が見えます。こちらは人家はほとんどなく、手付かずの自然という感じです。
絶景を楽しみながら歩いていきました。
途中分かれ道に標識が立っていました。左に行けば、今来た「摩天崖」へ。右へ行くと「由良」の方へ。写真を撮っている背中の方へ向かうと上り始めた「国賀浜」の方へいきます。
進んでいくと、見慣れたような山道の風景になりました。途中またテキサスゲートがありました。
「摩天崖」からの道を降りてきたところに「小中商店」がありました。ようやく冷たい飲み物が購入できます。ここまで自販機などもありませんでした。ありがたく近々に冷えた炭酸ジュースをいただきました。
「由良」のあたりは海辺の町です。「小中商店」の前の道を町営バスが通っていきます。「摩天崖」から一気に257メートル下って、45分ほど歩きました。
ゆったりと「国賀海岸」の風景を楽しむなら、4〜5時間ほどみておく方がいいと思います。