岐阜県下呂市|下呂温泉龍神火祭りの風景
岐阜県下呂市の下呂温泉周辺で毎年8月1日からの4日間に渡って行われる「下呂温泉龍神火祭り」によりみちしました。実は前日の7月31日からはじまっています。前夜祭から3日目までよりみちしましたので、それぞれの日の様子をご紹介します。
日時:2017年8月
エリア:岐阜県(下呂市)
よりみちスポット
「下呂温泉龍神火祭り」とは
下呂温泉まつりの初日に行なわれる下呂温泉龍神火まつりは、昭和45年に始まりました。
このまつりは、岐阜県益田郡誌に登載される下呂の伝説「椀貸せ淵」から発想されたもので、下呂市民(下呂地区)にとっては、ふるさとの大切な民俗文化として受け継がれています。
「椀みこし」毎年40歳、41歳の厄年の男衆が担ぎます。同窓会のような感じになります。
椀貸せ淵の伝説(要約・抜粋)
椀貸せ淵は国道41号線と国道257号線が交わる下呂市小川大渕にあり、国道41号線の飛騨川に架かる帯雲橋の下にあります。淵の底にはポッカリと横穴があいており、この穴は龍宮城に通じていると言います。昔むかし、下呂の里は耕地も少なく食べ物も十分にない貧しい村でした。
でも、この里(大渕)では、祝い事や祭りなどに使われる膳や椀だけはとても立派で訪れる他村の人々を驚かせていました。これには訳があり、里人は貧しくても正直者ぞろいで、淵が龍宮城へ通じていることを信じ、盆暮にはお供え物をして龍神様を崇めていました。
ある日のこと、一人の村人が息子に嫁をもらうことになったが、困ったことがあると淵のほとりで嘆いておりました。
「嫁さをもらうのはええが、俺んとこにゃお椀も膳もない。せがれや嫁さが恥ずかしくないようにせにゃいかん。なんとかならんものか。近所で借りようと思っても誰も持っておらんし、よわった。」
信心深い親父は別に期待したつもりはなかったが川原に降りて龍宮に通じる淵の穴に向ってお願いをした。
「龍神様、俺んとこではこのたび隣村から嫁さをもらうことになったが、この村にゃお椀も膳もなんにもありません。どうか婚礼の日だけでいいから膳と椀を貸してください。」そして次の朝のこと、親父は淵のそばに行き何げなく淵をのぞいてみると、金蒔絵の立派な膳や椀が婚礼に必要な数だけ置いてありました。親父も家の者も大喜びで無事婚礼を済ませ、使った膳椀をきれいに洗って、心ばかりのお供え物をしてお返しをしました。
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それからは膳椀が必要な時、村人たちは淵に通いお願いをして借りるようになり、この淵を「椀貸せ淵」と呼ぶようになりました。龍神様が貸してくださる膳や椀はとても立派なもので、椀一個だけでもそれを売れば一生遊んで暮らせるほどのものでしたが、誰ひとりネコババするような不心得な者はなく、正直者ばかりでした。
しかしある日のこと、村人の一人がお祭りに借りた椀のひとつをあやまって割らしてしまいました。怖くなったその村人は、次の朝あやまることもせず、淵のそばに置いて逃げ帰ってしまいました。
それからというもの、村人たちがいくらお願いしても膳椀は貸してもらえなくなりました。
椀貸せ淵の伝説は、借りた椀を壊しあやまらなかった、という昔話をアレンジして、これを持ち逃げしたため、椀を取り戻しに龍が現われ暴れまわり、最後には椀を取り返して静まるというストーリーだそうです。
5 頭の龍は各地区内を練り歩きます。夜6 時頃になると椀みこしと5 頭の龍は龍神火まつりの行われる温泉街の中心、白鷺橋催事場周辺に結集して本番の舞台を待ちます。鐘、太鼓、ドラなどのリズムに合わせて、最初は厄年の男衆に担がれた椀みこしが登場し、その後、龍ごとにそれぞれ工夫をこらした演出による龍舞いの披露されます。
「龍神火祭り」前日7月31日の風景
5つの龍は、祭りの前日から下呂温泉の街に現れます。各旅館を回って、旅館の前で龍の演舞を披露していきます。
「下呂温泉 水明館」前にて。金色の龍の演舞がありました。事前に何時頃行われるかも確認できます。この日は20時40分頃からありました。花火の下を龍が潜って行ったりします。
演舞が終わると、龍に触れさせてもらえたりもします。ご利益いただきましょう。
龍は5頭いるので、他にもいろんなところで出会うことができます。青い龍は19時半頃に下呂市役所前で見られました。
「下呂温泉龍神火祭り」8月1日の風景
8月1日が、「龍神」の本番です。龍達が舞い踊る日です。
ちなみに、ウーーノの誕生日です!だから、この祭りにも、親近感が湧きます。
龍神火祭りは夜からですが、昼間に、ある意味本来の主役である「椀みこし」が市内をまわります。旅館をめぐって、大切な作業をします。祭りを継続するには、とても大切な作業です。
ちょうどスコールの時に「下呂温泉 水明館」前にやってきました。「わっしょいわっしょい」と囃し立てています。こうして夜を待ちます。
夕方くらいまでに龍神たちは各町内を練り歩いて、ボルテージを高めていきます。爆竹と共に龍神たちが集まってきました。
あたりが暗くなってきて、龍神たちが下呂大橋を渡っていきます。火祭りの会場は橋を渡った先にある白鷺橋の辺りです。
龍の口から煙が吹かれたり、いろんな演出があります。赤い玉を龍が追いかけていきます。
花火の火が散る中、龍が駆け抜けていきます。
白鷺橋の周りは人が多いので、川沿いの手すりのところに陣取ってみると、少し遠くはなりますが、移動もしやすくておすすめです。
「下呂温泉龍神火祭り」8月2日の風景
湯の華みこしパレード、下呂おどり、民踊ながしがあります。メインの会場はやはり下呂温泉街にある「白鷺橋」です。踊りの列が、各地から集まってきます。
踊りの日はやや人が少なめ。屋台を楽しむのにはとてもいい日です。岐阜のご当地グルメ「ケイちゃん」の味付けの「ケイちゃん唐揚げ」を購入。ニンニクが効いてて美味しい!お隣のテントでは振る舞い酒がありました。
翌日が花火の火ですが、この日も少しだけ花火が上がります。
夏になるとビアガーデンをしている「望川館」ではサンバの踊りで盛り上がっていました。
「下呂温泉龍神火祭り」8月3日の風景
3日目は、「下呂温泉花火ミュージカル夏公演」があります。音楽に合わせて花火が上がります。
白鷺橋から下呂市役所にかけての道は、屋台が並びます。「ホテルくさかべアルメリア」で夜な夜なニューハーフショーに出ているニューハーフの方たちも、屋台を散策していました。背が高いからすぐ分かりますね。
花火は飛騨川にかかる下呂大橋のあたりで上がります。ちょうど「小川屋」の目の前であがるので、テラス付きの部屋など宿泊すると、テラスから優雅に眺められます。
昼間に飛騨川の風景を見てみると、青いビニールシートがびっしりと敷かれていました。昨日まではなかったのに、朝早くから場所取りが始まっているんですね。
夜になると、人人人。河原がびっしりと埋まります。
河原にも屋台がありますが、めちゃくちゃ混み合います。食べ物や飲み物は早めに用意するか持っていった方がいいです。
3つくらいの演目に分かれて音楽と花火が構成されています。途中にアナウンスが入りながら、30分から40分ほど花火が上がります。
河原で見るのもいいですが、下呂大橋の上からでも十分楽しめます。
ぜひ8月1日〜4日に下呂を訪れる際は、下呂温泉龍神火祭りもお楽しみください!